K-NEXIA(ケイネクシア)

社員のやる気を引き出す職場づくり・管理職育成

社員が辞める会社と、自分から動く会社。その違いは『ありがとう』かもしれない

「ありがとう」が聞こえる会社は、なぜ社員が自分から動くのか?

社員のやる気を引き出すのは、給料だけではない。製造業の現場から考える、強くて温かい職場づくり。

「最近の若い社員は、言われたことしかしない」

「もう少し自分で考えて動いてくれたらいいのに」

経営者や管理職の方から、こんな声を聞くことがあります。

確かに、自分から考え、工夫し、行動してくれる社員が増えれば、会社はもっと強くなるでしょう。

でも、少し考えてみたいのです。

社員が自分から動かないのは、本当に社員だけの問題なのでしょうか。

もしかすると、職場の中に、そのヒントが隠れているのかもしれません。

「話を聴いてもらえる」「感謝される」社員の70%が高幸福度

2026年10月8日、日本青年会議所と博報堂100年生活者研究所による共同研究プロジェクト「日本ウェルビーイング研究会議」が、興味深い調査速報を発表しました。

調査によると、上司や経営者から「話を聴いてもらえている」「感謝や称賛をされている」と感じている社員の70.0%が、高い幸福度を示していました。

一方、そのどちらも感じていない社員では34.9%。

実に35.1ポイントの差があったのです。

さらに、高幸福度の社員の86.2%が、決められた役割を超えて、自発的な親切や工夫を行っていると報告されています。

もちろん、この結果だけで「感謝すれば社員の幸福度や生産性が上がる」と断定することはできません。

しかし、社員が自分から動く職場を考えるうえで、見逃せない数字ではないでしょうか。

製造業の現場には、誰にも気づかれない「いい仕事」がある

私は約30年間、製造業を中心に、さまざまな企業の現場を訪問してきました。

そこで感じてきたことがあります。

それは、現場には、数字や報告書には表れにくい「いい仕事」がたくさんあるということです。

例えば、

  • 次の人が使いやすいように工具を並べ直す。
  • 新人が困っていたら、さりげなく声をかける。
  • 設備の小さな異変に気づき、早めに報告する。
  • 作業の無駄を減らすために、ちょっとした工夫をする。
  • 忙しい仲間の仕事を、黙って手伝う。

こうした行動は、必ずしも業務指示によるものではありません。

誰かに言われたからではなく、自分で考えて動いているのです。

そして、この小さな積み重ねが、安全、品質、生産性、そして会社の競争力を支えています。

ところが、忙しい職場ほど、こうした行動が当たり前になってしまうことがあります。

できて当然。

やって当然。

問題が起きたときには注意されるけれど、うまくいっているときには何も言われない。

これでは、せっかくの工夫や気遣いが埋もれてしまいます。

「ありがとう」は、仕事を見ているというメッセージ

感謝を伝えることは、決して難しいことではありません。

「さっきの対応、助かったよ」

「新人のこと、気にかけてくれてありがとう」

「この改善、よく考えたね」

ほんの一言です。

でも、その一言には大切な意味があります。

「あなたの仕事を、ちゃんと見ていますよ」

というメッセージです。

人は、自分の仕事が誰かの役に立っていると感じられると、次の仕事にも意味を見いだしやすくなります。

もちろん、感謝だけで待遇や労働環境の問題が解決するわけではありません。

適切な評価、公平な処遇、働きやすい環境があってこそ、日々のコミュニケーションも生きてきます。

大切なのは、感謝を単なる掛け声にしないことです。

ただし、管理職に「もっと褒めろ」と言うだけでは変わらない

ここで、もう一つ考えたいことがあります。

社員の話を聴くことが大切。

感謝を伝えることが大切。

それは、そのとおりだと思います。

でも、それを管理職だけに求めてよいのでしょうか。

今の管理職は、本当に大変です。

生産性を上げなければならない。

若手を育てなければならない。

離職を防がなければならない。

ハラスメントにも気をつけなければならない。

そのうえ、自分自身の仕事も抱えています。

そこへさらに、

「もっと部下の話を聴きなさい」

「もっと褒めなさい」

と言われたら、管理職の負担が増えるばかりです。

管理職を責めるのではなく、管理職が部下と向き合える環境を会社がつくる。

私は、そこが大切だと考えています。

明日からできる、3つの小さな職場改善

大がかりな制度を導入しなくても、始められることはあります。

1.「ありがとう」を具体的に伝える

ただ「ありがとう」と言うだけでなく、何が助かったのかを伝えます。

「昨日、設備の異音を早めに報告してくれて助かったよ」

これなら、社員も自分の行動の価値を実感できます。

2.すぐに答えを出さず、まず聴いてみる

部下から相談されたとき、経験豊富な管理職ほど、すぐに解決策を伝えたくなるものです。

でも、ときには、

「あなたはどうしたらいいと思う?」

と聴いてみる。

それだけでも、社員が自分で考えるきっかけになります。

ただし、緊急時や安全に関わる場面では、管理職が明確に指示することも必要です。

3.管理職自身にも「ありがとう」を伝える

意外と忘れられがちなのが、管理職への感謝です。

管理職も一人の社員です。

悩むこともあれば、疲れることもあります。

経営者から管理職へ。

管理職から社員へ。

社員同士でも。

感謝が一方向ではなく、職場全体に広がっていくことが理想です。

人を大切にすることは、会社を強くすること

社員を大切にするというと、福利厚生や待遇改善を思い浮かべる方も多いかもしれません。

もちろん、それらも重要です。

しかし、それだけではありません。

話を聴いてもらえること。

自分の工夫に気づいてもらえること。

困ったときに相談できること。

失敗しても、次につながる対話ができること。

そして、管理職自身も安心して働けること。

こうした職場の土台が整うことで、社員の成長や定着、組織の力につながっていく可能性があります。

私たちケイネクシアは、

「心が人を動かす。人が組織を動かす。」

という考え方を大切にしています。

人を大切にすることと、成果を出すことは、決して対立するものではありません。

むしろ、人が力を発揮できる環境をつくることこそ、会社を強くするための大切な経営課題だと考えています。

最後に、経営者の皆さんへ

最近、社員に「ありがとう」と伝えたのは、いつでしょうか。

そして、管理職の方に「いつも助かっているよ」と声をかけたのは、いつでしょうか。

特別なことを始めなくても構いません。

明日、職場で一人の社員の仕事をよく見てみる。

そして、気づいたことを言葉にしてみる。

その小さな一歩が、職場を変えるきっかけになるかもしれません。

社員が自分から動く会社は、社員を動かすことだけを考えている会社ではなく、社員が動きたくなる環境をつくっている会社なのかもしれません。


ケイネクシアの職場改善・管理職研修

株式会社ケイネクシアでは、兵庫県西宮市を拠点に、西宮・尼崎・芦屋・神戸・大阪など阪神間の中小企業、特に製造業を中心とした人と組織の経営支援を行っています。

「現場を強くする 管理職アップデート研修」をはじめ、ストレスチェック後の職場改善、EAPなどを通じて、経営者と管理職、社員がともに元気になる会社づくりを支援しています。

社員の定着や管理職育成、職場のコミュニケーションに課題を感じている経営者の方は、お気軽にご相談ください。

株式会社ケイネクシア

心が人を動かす。人が組織を動かす。

https://www.k-nexia.co.jp


参考資料

公益社団法人日本青年会議所「日本ウェルビーイング研究会議 調査速報」(2026年10月8日発表)

※本記事の調査数値は、同研究会議が公表した速報に基づいています。調査結果は関連性を示すものであり、因果関係を証明するものではありません。

「社員の定着が気になる」「相談先を整えたい」「ストレスチェックの結果を活かしたい」。何から始めるか決まっていなくても、まずは現在の状況をお聞かせください。

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